現在、フリーランスが日本の人口の何割を占めているか知っていますか?そして、その中でフリーライターという業種はどのくらい稼いでいるのでしょうか?
今回はフリーライターとして生計を立てていく上で一番大事な収入面について調べてみました。
- フリーライターになりたいけど収入面が不安
- 社会人からフリーライターの転職を考えている人
- フリーライターがどのくらい稼げるか知りたい人
フリーランスの人口は?
フリーランス=個人事業主が日本にどのくらいの数あるかご存知ですか?内閣府が実施したアンケート調査でフリーランスの統計を出しました。それがこちら。
フリーランスは個人事業主だけでなく法人を設立した社長も含み、統計で341万人。うち副業として活動しているのが112万人。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2019/07seisakukadai17-0.pdf
フリーランスは全国で341万人、うち副業として活動している人が112万人という統計でした。この統計には個人事業主、つまりフリーライター以外の業種も含まれています(個人事業主の大工、理学療法士、美容師などなど)。
では、ここからはフリーライターに焦点を絞って見ていくことにしましょう。
ライターという業種は、主にフリーライター・Webライター・テクニカルライター・コピーライターという種類に分類されます。
- フリーライター 雑誌・Webなどで取材をして記事を執筆するライター
- Webライター SEO対策やキーワード選出ができPVを伸ばす記事を執筆するライター
- テクニカルライター 取扱説明書や技術書などの専門的な知識を書くライター
- コピーライター 広告や商品のキャッチコピーを考えるライター
細かくいえば編集者を兼任するライターもいたりしますが、いずれも専門性があり必要なスキルが求めらたライターです。出版業界やWeb業界、広告業界に所属していることが多いです。今回は、作家やコラムニストなど独自な見解を執筆する著者はライターに入れていません。
正社員ライターの収入は?
上記のライターが企業に所属している場合、平均給与はどのくらいでしょうか? コピーライターやテクニカルライター・新聞記者の収入は下記のとおり。これは、サラリーマンの平均年収441万円(H30.国税庁調査)よりもやや高いといえます。
とくにライターの中でも専門的なスキルや経験が求められる、テクニカルライターやコピーライターは収入が高いのがわかります。
フリーライターの年収は?
では、フリーライターの収入はどうでしょうか?幅広くフリーライターと呼ばれている人たちのことです。年収の統計は、フリーランス協会が調査した資料を参考に筆者がグラフ化しました。
参考出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
フリーライターの年収は、400万円未満という人が全体の半分以上の56.9%を占めていました。これは、副業でフリーライターをしている人も含まれます。
副業のフリーライターは、すきま時間でしか執筆できません。当然、収入も少なくなります。上の円グラフは、フルタイムフリーライター・副業フリーライターを含めた統計です。
駆け出しのフリーライターで低価格で執筆している人や副業として実質労働時間が少ない人は、収入も少ない傾向にあります。独立してライター1本で生活している人とでは、収入に開きが出ているように思います。
このように、フリーライターの収入には大きな格差がありました。なぜなら、フリーランスであるがゆえ働き方もそれぞれ変わってくるからです。
もしもがっつり働いてがっつり稼ぎたいという人は、次に紹介する有名ライターや高収入ライターへのスキルアップを検討してはどうでしょうか?
有名フリーライターのリアルな収入
実際にフリーライターとして活動している人の中で、高収入を得ている人はどのくらいの月収なのでしょうか?
また、どのような実績を積めば、高い収入を得られるのか参考にしてみたいですね。
sa-photoさんの1ヶ月の仕事量は、原稿本数計90~100本。仮に100本書いたとして1本あたり@4500円です。文字数を単純計算すると、1本あたり1800文字。
1文字単価は2.5円になります。sa-photoさんのクライアントのように書いた記事が検索で上位に入るとボーナスが出るというのは、フリーライターもモチベーションも上がってやりがいがあります。
副業で18万円稼いだというWebフリーライターの一例です。単価3円記事を1日3時間で3000文字書きます。週に5本納品すると、1ヶ月で18万円になります。
稼いでいる人の事例を参考にすると、Webフリーライターを1本で収入を得る場合は高単価な案件を書くこと、また一定数の本数をこなせることが条件になります。
雑誌ライターの収入
ここからは、私がフリーライターとして活動し始めたときの収入を公開します。フリーとして活動し始めたのが、2017年。
パートナーがうつ病で休職したため、働かざるを得ない状況になりました。そこで昔のツテで雑誌のページを受け持つようになりました。
引き受けていた雑誌ライターは、編集業務も兼ねており、ページ構成・撮影・記事執筆・原稿チェック・入稿・校了までの一連の作業をすべて担当ライターが兼務するという形をとっていました。月刊紙だったこともあり、ページ構成からアポ取りまでがっつり雑誌に携わる業務形態です。
通常は、入稿から校了までは担当編集者が受け持つというのがセオリーだと思います。また、取材先のアポイントは編集者が行います。
上記のような業務委託方式は、編集経験のないライターは確実に難しいと思います。その際のページ単価は、
このとき、子どもが小さかったため撮影日を調整するのがとても大変でした。条件は撮影をできるだけ1~2日で終わらせられる企画しか持たないこと、校了日以外の業務は在宅で行うことで成り立っていました。
編集スタッフが未経験で人数が少ないということもあり、取材や撮影が必要ない「占い」や「マンガ」「エッセイ」のページも担当させてもらったことが収入面でのアップに繋がりました。
今考えてみると、相当な激務だったので単価としては安い方だったかもと思います。
その後、この制作会社は休刊してしまい、わたしは結局80万円の未払いにあっています。現在も示談交渉中。
このような報酬未払いは「ライターあるある」です。未払いなならないために、「未払いにあったらすべきこと」と「未払いに合わないためにすべきこと」を記事にしてまとめています。
クライアントが資本金を1000万円超える企業の場合は、下請法も適用されます。こちらも合わせて参考にしてみてください。
取材ライターの収入
次にフリーライターとして活動したのが、取材ライターです。
取材ライターは、編集者とカメラマンといっしょに取材先に行き、企画に合わせた取材をします。飲食店以外にも、複合施設のオープニングセレモニーなどに記者として出席することもありました。
飲食店の取材は1日に多くて3店舗。取材時間は、撮影を含めて約1時間を予定しています。私の場合は、平日の16時までに取材を終えることができるように調整してもらったので、月2~3日程度の取材で10店舗弱の店を取材することができました。
掲載内容は1ページに1店舗という紹介だったため、1ページ2万円でしたが、中には1/2・1/4掲載のページもあります。その場合は、もちろん原稿料は変動します。
ちなみに取材ライターのほとんどは、単体で仕事をするのでなく複数抱えていることが多いです。雑誌の発行日により入稿と校了日がおのずと決まってくるため、1~15日はA雑誌・15~月末はB雑誌という具合に調整しています。
2社と毎月コンスタントに依頼してもらえれば、収入は月30万以上が見込めるというわけです。
私は2社をかけ持つ時間的余裕も精神的余裕もなかったため、並行してWebライターの仕事を請け負っていました。
Webライターの収入
Webライターに参入して初めて「文字単価」という言葉を知りました。衝撃的でした。
出版業界では、文字数ではなく企画内容や記事内容に重点を置いています。そのため、文字数でギャランティが決まるというウェブメディアの恐ろしさに戦慄が走ったのを今でも覚えています。
まずは、大手の「クラウドワークス」「ランサーズ」。それから、主婦ジョブなどあらゆるクラウドソーシングサイトに登録して、すき間時間に執筆しました。
一番コンスタントにやった業務は、記事の構成が決まっていてサクサクかけるウェブメディアの記事のリライトです。元原稿をリライトする業務だったので、2週間で10本と数をこなせました。
他にも、
クライアントからの連絡もなく掲載先が全くわからないのですが、10本ワンセットで記事を執筆するという案件がありました。子どもが幼稚園に通っていたこともあり、
「幼稚園無償化実施」・「幼稚園ママの時短労働とその対価」・「幼稚園か保育園か問題」・「幼稚園お受験戦争」・「新1年生ママが抱える労働育児問題」など、教育に関わる記事を執筆しました。
2000~3000文字であれば、1日あれば調査・執筆・リライト・校正までできて、翌日さらに読み直すこともできたので、このような企業案件があればどんどんやっていきたいです。
私は、この3件をかけ持ちライター業務を行っています。
ざっくりと頭の中で、
雑誌10万円+Webライター5~7万円
今ではざっと上記のような概算を立てていて、育児を両立するためにも無理をしない範囲であること、うつ病のパートナーと収入が二人三脚になったので、現在はこの収入で落ち着いています。
参入当初は、CMS入稿で1文字0.5円という安単価案件をやっていて、割りに合わない仕事量に辟易しました。
雑誌原稿は文字数ではありませんが、インタビューのような人物取材でない限り、1000文字以上の執筆はなかったと思います(写真も掲載されるため)。
そのため、文字量の多い執筆は受けないと決めました。しかし、ライターは固定給ではないため、変動することなんてザラ。
今回のコロナ禍で雑誌が休刊したり、副業する人が増えてWeb案件がまったくなくなったりすることもあるため、できるとに稼いで貯蓄しておくのがベター。そのために複数の案件を掛け持つことをおすすめします。
高収入単価の案件とは?
私は基本相場内での原稿ばかり受けていますが、やはりいつまでも安単価で記事を書いていては時間のムダですよね。では、高収入な案件をゲットするためにはどうすればいいのでしょうか? まずはクラウド系ライターの実際の原稿料の相場をみてみましょう。
クラウド系案件の1記事あたりの原稿料の相場
- 初心者案件:文字単価0.1〜0.5円
- 一般の案件:文字単価1円~2円
- スキルが必要な案件:2~3円以上
クラウド系は上記のような案件が多いです。初心者案件はWebフリーライターのスタートとして避けては通れない道ではあります。しかし、7000文字書いても3500円にしかならないとモチベーションもぐん下がってしまいます。
では、単価が1文字1円になればどうでしょうか?
原稿料は2倍の7000円になります。月に20記事書けば、140000円の収入です。3000文字のSEO記事を1日3本書くことができれば、最低でも27万円の収入(源泉徴収別)が見込めるのです。
最終的に狙うは、3円以上の高単価な案件です。
上記が高単価記事といわれる案件です。主に、クレジットや投資関連のSEO記事は単価が高い傾向にあります。専門的なので金融系に強くなるよう勉強するのもありです。
美容・健康食品、医療系は薬機法に触れない記事作成を求められます。このような高単価案件を書けるようにスキルアップすることが、高収入への近道です。
ライターは文字単価で収入を測らない方がいい
確かに収入は多い方がいいです。しかし、簡単に高収入になるわけではありません。高収入ライターは、医療や法律に詳しい専門分野に長けている人が多いです。
まずは、ライターとして「次」が求められることが一番大事です。コンスタントに記事を書き続けるためには、どうすればいいのでしょうか?
- 正しい記事を書く
- 根拠のある記事を書く
- 興味が沸くようなリードを書く
- 結論→その理由→具体的な説明書く
- 一文は短くする
ポイントは上の5つです。
昨今、優良記事が求められています。ユーザーが欲しい情報が十分に得られるサイトこそ、PV(ページビュー)やコンバージョン(顧客獲得など)が増えるからです。
また、必要な情報だけが欲しいユーザーが多いので結論から書くこと・1文を短く書くなどのスキルが求められます。こうして優良記事を書き続けることで、ライターとしての価値を高められるような案件を選べるようになります。
単価が高い案件が受注できれば、1ヶ月に5〜10本の原稿で月収50万円を稼ぐことも夢ではありません。
在宅フリーライターや副業フリーライターは実際に稼げる?
Web系フリーライター未経験者が増えています。在宅だから稼げない、副業だから儲からないというわけではありません。安単価だから稼げないんだと思います。私も2000文字で800円のマンガのあらすじを書いたことがあるのでわかります。
安単価は非効率的なのです。規定のタイトルや見出しを割り振られて、ネット上で調べて書いているライターは楽しくはないですし、原稿でいえばリライト原稿に似ています。
一から面白い記事を書きたくても時給がアルバイト以下になってしまいますし、なんだかモヤモヤが溜まってきますよね。
在宅ライターを希望している人でSEO記事という概念がわかってきたら「良質ライター」を目指して、ココナラで自らのスキルアップしていくなど、方向性を変えてみるのもひとつの手だと思います。
また、取材ライター・フリーライターとしてガンガン表に出て活動したい人は、自分の好きな雑誌のホームページの検索をしてみてください。ライターを募集しているところがけっこうあります。
また、編集プロダクションと業務委託契約をすることで定期的に執筆依頼を受けることもできます。
フリーライターの収入の実態のまとめ
フリーライターは最初からいきなり稼げる職種ではありません。初心者のうちは単価が低くても努力しながら、コツコツとライティング力とスキルを磨きながら取り組むことが必要といえます。また、初心者からステップアップするためにポートフォリオを作っておくのもおすすめ。すき間時間にブログやSNSで売り込めるような記事を作るのも一つの手段です。
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